カテゴリ:不動産のお得情報 / 投稿日付:2023/09/22 09:00
■相続時の揉めごとの原因やその対策などを解説していくので、
事前に備え、相続時のトラブル発生を防ぎましょう。
土地、家を所有する親が亡くなってしまった場合、その不動産をどのよう相続するか、
兄弟間で揉めてしまうケースがあります。
相続のパターンは様々であり、揉めてしまう原因も同様のため、
話をまとめるには事案に応じた対応が必要となります。
■土地相続でトラブる原因
▶相続時に兄弟間でトラブルが発生しやすい5つの原因を挙げていきます。
■遺言書がなかった
遺言書がない場合は、相続財産をどのように分割するかで意見が割れ、
トラブルに発展しやすいです。
遺言書は、被相続人(亡くなった人)が、相続財産をどのように
相続させるかを書き残した文書です。
これは親が最後に残した意思表示のようなものなので、遺族はその内容を尊重し、
遺言書通りに相続財産を分けることが多いです。
遺言書がない場合に相続財産を分割する場合は、
相続人同士で遺産分割協議を行うことになりますが、相続財産の内容によっては
公平に分割することができないこともあるため、兄弟間で互いの利益が衝突し、
トラブルに発展しやすいと言えます。
■相続できるものが土地だけだった
▶相続財産が土地だけなど、処分が困難な財産のみであることも兄弟間で揉めやすい原因です。
相続財産が、土地以外に現金や価値のある宝石などの動産があれば、
金額的に完全に公平でなくても、兄弟がそれぞれ財産を相続することができます。
これに対し相続財産が土地だけだと、兄弟全員が相続財産を得ることが難しくなり、
不公平が生じやすいため、話し合いの過程でトラブルになることがあります。
なお、土地を兄弟全員で相続して共有状態になることは可能ですが、
その場合、土地を処分・売却する際に兄弟全員の同意が必要となるため、
話し合いによるトラブルを先送りにする形となり、共有で相続することはお勧めしません。
■生前に聞いていた条件と違った
▶生前に親から聞いていた財産の額が、変わっている場合、揉める原因になりやすいです。
例として、兄弟間で、兄には不動産を、弟には現金1000万円を相続させると
親から聞いていたが、相続が発生した後に現金数十万~数百万になっていた、
というケースです。
親が亡くなる前の介護・医療費や葬式などで予定外の出費が発生し、
子供に相続させるつもりであった現金が目減りするということは十分にあり得ます。
このようなケースでは、十分な現金を相続できるから不動産は
相続しなくてもいいと考えていた側が、納得いかずに不動産の権利を主張することになります。
■寄与分の主張が出た
▶相続人の一部から寄与分の主張が出た場合、遺産分割協議が上手くいかないことがあります。
寄与分とは、相続人が、被相続人の相続財産の増加に貢献した場合に、
その貢献を考慮してもらえる相続財産が増える、という民法上の制度です。
例えば、「長年にわたり親の介護を一人で行った」、「親の生活費を負担していた」などです。
寄与分が認められるかどうかに明確な基準はないため、
法律の専門家を介さずに兄弟間のみで話し合い、トラブルに発展しやすい事例です。
■特別受益の主張が出た
▶相続人の一部から特別受益の主張が出た場合、遺産分割協議が上手くいかないことがあります。
特別受益とは、相続人が、被相続人から生前に生前贈与などを受けた場合に、
相続財産を一部前払いされたものとして、その分もらえる相続財産が減る、
という民法上の制度です。
例えば、「住宅の購入費用を援助してもらった」、
「多額の借金を肩代わりしてもらった」などです。
特別受益は、寄与分よりかは基準が明確ですが、金額が同じでも事案によっては
特別受益にあたらないと判断されることもあるため、
法律の専門家を介さずに兄弟間のみで話し合うとトラブルに発展しやすい事例と言えます。
■土地相続でのトラブル事例
▶土地相続の場面でよくあるトラブルの事例を紹介します。
■平等に分けられない遺産しかなかった
┗分割が難しい相続財産のみだと、どうしても家族の一方のみが得をする結果になりやすいです。
→対策:土地を現金に変える・土地を相続した方が他方に現金を払う
■家族から相続放棄を求められた
┗兄弟の一人が、自分一人で親の介護を行ってきたため、自分だけが土地を相続する
と主張してほかの兄弟に相続放棄を求めた結果、対応を巡ってトラブルになることがあります。
→相続放棄をするかどうかは相続人自身が決めることで強制はできないため、
兄弟から相続放棄を求められてもすぐに決めるのではなく、十分に検討する。
■遺言に偏りがあった
┗相続財産の多くを土地が占める事例で遺言書が残されていたが、
特定の兄弟にのみ土地を相続させる内容であったため、
他の兄弟の不公平感からトラブルになります。
→対策:偏りがないように遺言書を作成するのが一番ですが、
既に相続が発生したあとであれば遺留分侵害請求で調整する。
■相続した土地を家族で分ける方法
■現物分割
土地がひとつであっても、その土地を分筆すれば兄弟間で分割して相続することができます。
分筆とは、一つの土地を複数に分ける手続きです。
ただし、土地の大きさや立地によっては、土地を分筆することによって価値が下がることがあるため、兄弟間で完全に公平に分けることは難しいと言えます。
土地を分筆する場合は十分に検討が必要でしょう。
■代償分割
兄弟の一人が土地を相続し、代わりに他の兄弟に現金を支払う方法です。
例えば、兄弟が二人で相続財産が3000万円の土地のみの場合、
兄が土地を単独で相続する代わりに、兄が弟に1500万円を支払います。
この方法は、土地をそのまま活用でき、兄弟間の公平を保てますが、
土地を相続する側に資産が必要となります。
■換価分割
土地を売却して得られた金銭を分ける方法です。
現金であれば公平に分割することができるため、兄弟間の公平が保てます。
しかし、土地を売却することが前提となる以上、土地自体にある程度の価値は必要でしょう。
また、換価分割では相続人全員の同意が必要であるため、先祖代々の土地であれば、
そこに住み続けたいという思いから納得がいかない兄弟が出てくる可能性があり、
このようなケースでは手続きが困難になります。
■共有
土地はそのままで、兄弟全員で共有相続する方法です。
共有であれば、兄弟全員がその土地を利用することができます。
この方法は一見公平ですが、土地が共有の場合、
売却や処分をする際には共有者全員の同意が必要となり、土地の流動性が下がります。
また、兄弟の一部が死亡した場合はその持ち分についてさらに相続が発生し、
共有者が増えていくことになります。
このことから、土地の共有はデメリットが多く極力避けるべきでしょう。
■相続放棄
相続放棄により、他の兄弟に土地の権利を譲る方法です。
相続放棄が認められると初めから相続人でなかったと扱われ、
他の相続人の相続割合が増えるため、親の介護をしてもらったため
相続財産を譲ってもいいと考えている場合は、相続放棄も一つの手段です。
ただ、相続放棄は特定の財産のみには認められず、
プラスの財産・マイナスの財産を含むすべての相続財産の権利を失うことになります。
場合によってはほかの相続人に親の債務を負担させることになるため、
相続放棄をする場合はほかの相続人と十分に話し合いましょう。
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